小平にて、加齢をカレーで祝った日。
- 手舞足踏 なかむら
- 7月30日
- 読了時間: 5分
更新日:8月1日

実は私、7月1日を迎えると毎年、年齢が増える仕組みでやってきたんですけど…。
今年も例に漏れず加齢。42歳。
グレードアップが止まりません!!
おばあちゃんっ子だったので歳を取るのは好きです。好きだった今は亡き人に近づける感じがして。
あまりにおばあちゃんで歳が離れすぎていると実感が湧きにくいので、もう一例。
20代半ばから30代前半までの8年間、眼科クリニックに勤めていました。
大好きだった院長が60歳で亡くなり、私が歳を取るたびに彼女に近づける気がするんです。
マラソンの60歳地点で院長が待っているようなイメージです。
いつか追いついて、追い越してしまうかもしれない。
60歳地点を目指すその間、私はもちろん彼女とは違う人生を送りながらも、少しずつ院長に近づき、時々過去の彼女とすれ違うように何度も何度も時の中で院長に会う、というイメージです。
他の年上の人たちに於かれましても、あの頃のあの人がああ言っていたその地点に私なりの立札を立てて、そこを目掛けて、励みにしたりしながら歳を取るのが結構好きなんです。
42歳の頃の色んな人の顔が浮かんだり、想像したり。
皆はこの齢をどのように生きたのか。
どんな服を着て誰と過ごして、何に悩んで、何を楽しみにしていたのか。思いを巡らせるのも、実際に聞くのも好きです。
人に歴史ありで、どんな人の人生にもある、それぞれの事情やそれぞれの光みたいなものをいつか書いてみたいと思う日々です。
去年は友達が誘い出してくれてディズニーシーで誕生日を過ごしましたが、今年は予定もなく、どう過ごそうかと思っていたところ、ずっと行きたかった所に行こう!!と思い立ち、小平のカフェラグラスさんへ。

このお店は母のお友達の妹さんがやっているお店で、いつか母と一緒に行きたかったお店です。
素敵なお店だと聞いていたのはもちろんですが、婦人之友社さんから出ている明日の友に、母のお友達の妹さん、村松美智子さんがお料理の特集でよくレシピを出しているとのことで、とても興味がありました。
私も婦人之友さんにお世話になっているのでご縁も感じて、とてもお会いしたかったのです。
【カフェラグラスさんのメディア掲載情報】
母と電車を乗り継ぎ小平へ。
駅から歩いて7分くらい。
謎のアーケード街を通り抜けるのですが、つばめが飛んでいて、よくみるとたくさんのつばめがそこで暮らしていました。和やかな街です。
もう少し行くと保谷狭山自然公園自転車動線なる、いかにもその先が大きな公園に続きそうな遊歩道を行き、あじさい公園の手前にカフェグラスさんはあります。

夏の暑さが落ち着いたらテラス席も気持ちが良さそうです。

緑のアーチや素敵なガーデニング、周囲環境のひとつながりの、そこにあるのが必然に思える店構え。
お店のコンセプトや活動がこの辺りにもよく現れている気がします。

ランチメニューは迷いに迷ってチキンカレーにしました。
ランチは素直に一番上に書いてあるものを選ぶのが勝ち筋なのですが、こういうお店のカレーって絶対美味しいんですよね。
予想は的中。
ものすごい美味しさでした。
シンプルで丁寧な作りなのに、無駄や余計なものが素材はもちろん作業に於いてもないことが想像できる素晴らしいカレーでした。
すごく洗練されたカレー。
こんなカレーが作れるようになりたいです。

母は週替わりランチを選びました。
品数が多く、バランスのいい嬉しい定食です。
サーモンを少しもらったのですが、バター醤油の味付けが甘くまろやかで、たまらなく美味しかったです。

ちゃっかりカレーにレモンタルトもセットにしていました。
暑い日だったので、爽やかで気持ちのいい美味しさでした。
昔イスラエルのお店でレモンタルトを作っていて、NYスタイルのわかりやすくてパキッとした味だったのですが、こちらは本当に優しく心地よいお味。
美味しかったです。

母のお友達の妹さんである村松美智子さんにもお会いでき、少しお話ができました。
“今日、誕生日なので、ずっと来たかったので、母と来ました!!”
とお伝えしたら、ずっと来たかったの部分を強調したつもりが、誕生日を強めに拾ってくださったようで、帰りがけにレジで焼き菓子を購入していたら、“お誕生日おめでとうございます!!”とお心遣いをいただき、少し恥ずかしいながらも、とてもありがたく、嬉しかったです。

家に帰ってからも焼き菓子やケーキにその素朴で、じんわりと優しい味を楽しめたので、すごく優しい42歳の誕生日になりました。

作る物や料理はこんなにも人を映すんだなと思うと、私の作る料理はどんな味がして、人にどう届くんだろうかという不安が渦巻き始めてしまうけど、この調子で、しっかり人々の生き方に感動し続けながら年齢を重ねれば、きっといつかは私の料理にも優しさが滲み出るはずと薄っすら信じることができます。
感動を原動力に味を再現したり、作り出してみたり、人のいいところを何度も真似て、懲りずに哲学なんかしてみて、その都度形にした物にその時の自分が現れることを楽しみながら手を動かし続けること。
これならきっと私にも出来ます。
これからも感動に出会うために、少し足を伸ばして、感性を磨き続けます。
もちろんそれは施術にも生きます。

カフェラグラスを出て、お隣のあじさい公園を覗くと紫陽花は盛り。
蓮の花が咲き始めている頃でした。

紫のかわいい花を咲かせた西洋ニンジンボク。
チェストツリーともいうそうです。

妙に心惹かれて、この木のそばに行きたいと、しばらく眺めたり少し触ったりしていました。
婦人科系の不調に使うハーブだからでしょうか。
この木が家の近くにあったら、間違いなく散歩のコースに組み込みたくなる程の美しさでした。
湿気にまみれ、暑い日々。
アスファルトの上は苦しくとも、ふと植物に目をやれば7月はとても美しいです。
小平は本当の意味で西東京なので本来、西東京紀行③とでも銘打つべきでしたが、今回は誕生日の記事ということで別タイトルで書きました。
それにしても東京の西側にはまだまだ優しさやスペースや元気な個人事業主が存在していて、今後も目が離せません。
カフェラグラスさん、とても特別な場所になりました。
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