
西東京紀行②
- 手舞足踏 なかむら
- 7月7日
- 読了時間: 7分
中央線上の町の楽しさが尋常じゃないので、6月の上旬、また訪れてしまいました西東京。
今回は高校時代からの友達と一緒に、吉祥寺駅からスタート。
まずは吉祥寺北口の商店街を歩いてみました。
あいにくの雨でしたがアーケードになっていていたのでとても快適でした。
さっそく気になる帽子屋さんが。
shop無 吉祥寺サンロード店 さん
2人してこの夏を愉快に過ごすための帽子を購入。
私が買ったのは、パイル地のオレンジ色の帽子で白い花のプリント、着脱可能な同生地の幅広紐がアクセントになっていてるすごく可愛い帽子。
この先、この呑気で可愛い帽子を被ってたくさん出かけられるといいなと思います。
こちらは関西のお店で関東の出店は吉祥寺のみだそうです。
実は私、帽子が大好きで、カオリノモリなどの少しラブリーで個性的な帽子に目がないのです。
当然ここの帽子も刺さりました。
吉祥寺に来るたびに寄ってしまいそうです。
商店街も奥の方に差し掛かった時、思わず吸い込まれたドイツパンのお店。
Linde(リンデ) 吉祥寺本店 さん
懐かしいドイツパンの数々!!!
種類と実力に圧倒的なものがありながらも店内の素朴で優しい空気感のギャップが心地いいお店でした。
2階のカフェスペース、次回は是非お邪魔したい。
ただ、私がリンデさんの本当の凄さを知るのは家に帰ってから。
ワリサーブロートを家族に半分あげて、翌朝、ハムとレタスとチーズで雑なオープンサンドを作り、何の気なしに食べたら、パン自体のミネラルの豊富さ、旨味の濃さに衝撃を受けました。
カットした写真しかないのが悔やまれますが、丸くて可愛い昔話に出て来そうなパンです。

実は、子供の頃から近所のドイツパン屋さん(後に赤坂に移転になり去年閉店したカーベーケージさん)でライ麦入りのパンや黒パンを食べ、その手のパンに比較的親しんできたのですが、ちょっとびっくりする美味しさでした。
ミネラル不足になりがちな体が喜んで、これ、毎日食べたい!!!!という魂の叫びが全身を駆け抜けて脳のどこかに強く訴えかけるような、本能が求めるパンでした…。
私、毎日食べたいパンってすごいと思うんです。
近年、見た目のいい、話題性の高いパンで盛り上がることが多いように思えて。
本当に体の糧となるパンを作れるお店ってどれくらいあるのかなと、時々思うのです。
ふいに本物を見つけてしまった幸運。
吉祥寺行ったら絶対に外せないお店になりました。
とはいえ見た目に惹かれて購入したヌストルテ。
くるみのタルトです。

鎌倉のクルミッ子で日本中にファンが増えたエンガディナーに似てるなと調べたら、エンガディナーの本名はエンガディナー・ヌストルテ。
スイスのエンガディン地方発祥の焼き菓子で、エンガディナーと呼ばれ定着したようです。
つまり日本の東京の吉祥寺発祥のグルメであれば“キチジョニアン”。
吉祥寺の有名羊羹であれば“キチジョニアン羊羹”
となるわけで、でも、もし羊羹をつけなければ、
吉祥寺の何??!となるくらいに吉祥寺には名物が多いですが、エンガディナーの一言で通じてしまうのは凄い反面、エンガディン地方が心配になります(余計なお世話)。
ただ世界規模で考えた時、吉祥寺の多くの名物が知れ渡ることも稀。陸や海を超える間に厳選され、デフォルメされ、最後は地名だけで呼ばれる菓子となるのが世の常っぽいですね。
カスティリャ地方のカステラとか。
中国の陶器がchinaと呼ばれたりなどの。
呼び名に想いを巡らせた後、地名を代表した圧倒的な名物菓子や物産があることの凄みにひれ伏しながらも、スペイン宮廷画家のエル・グレコがザ・ギリシャ人って呼ばれてきたことを思うと何とも言い難い。
呼ぶ側が、なんとなくその地域と深く広く多くと繋がろうとする気概を感じないから。
そんな中、ヌストルテと銘打って販売するリンデさん。
吉祥寺にありながら、しっかりと隣国スイスと文化を分け合い、ドイツしてるなぁ。と沁みじみ思いました。
そしてこちらはバウムクーヘン。
マジパンやチョコレートコーティング、あんずジャムを使用しているスタイル。
見た目も可愛く、甘酸っぱくキュートな味わいでした。

そして友達おすすめの 吉祥寺さとう さん
にて名物の丸メンチカツを購入。
お店の方も、もはやメンチ前提で個数だけを聞く程、圧倒的なメンチ。ぶっちぎりのメンチ。


食べてみて納得しました。
実はお肉屋さんで私が買うのは大概コロッケで、メンチは重くて普段あまり食べないのですが、これはいわゆる飲める系のメンチで、ふわふわとジューシーで謎の軽やかさを纏った不思議なメンチだったのです。
どうりで老若男女から愛されるわけです。
吉祥寺をもうちょっと散策したい気持ちを抑えて本日のメイン、三鷹のサンドニ・カフェへ。
𝐒𝐚𝐢𝐧𝐭-𝐃𝐞𝐧𝐢𝐬 𝐂𝐚𝐟é (サンドニ・カフェ)
前回はランチを諦め、クレープをふたつ食べたのですが、今回は念願のランチ。
まずサラダ。
暑い日に嬉しい爽やかさ。

シェアしようということで、鶏胸肉のコルドンブルーとポークステーキを。
このボリュームと味で1300円。サラダとドリンクも付いて、のお値段。信じられません。

昨今、都心部の飲食店は大手資本の多角経営の一角としての立ち位置の店が多く、コロナ後はそれが顕著になっていると感じます。
個人営業や小さな資本の店はバタバタとなくなり、住居兼という強みを持っていた店も建物の老朽化や中の人の加齢に抗えず、多くが去ってしまいました。
私もコロナの少し前に開業し、少しずつ顧客が増えていった頃にコロナが来たので、あの頃の絶望や精神的な傷、根源的な疲れ、自分も自分の仕事も社会での優先順位がとびきり低いという事実の悲しさみたいなものは、今も何かと思い出しては胸が痛くなるのです。
サンドニさんのメニューと価格設定や店のチーム感、美味しいものをたっぷり食べてもらいたいという心意気にはそれを吹き飛ばし、都心の枠組みから外れて自由に楽しく懸命に飲食店してる姿は本当に痛快なのです。
見てください。このティラミス。
隣に見えるコーヒーのソーサーより大きいんです。
こんなの笑ってしまう。

ティラミス。
Tirami su “私を元気づけて”
大成功してると思います。
カスタードが大好きな友達が頼んだクレームブリュレ。
隣に見えるお皿が先程のティラミスのお皿なのでなかなかに大きいのがわかると思います。

2人いるからと調子に乗ってヌガーグラッセも。
全部ボリュームがあるしパンチがあるので、当面のカロリーをガツンと摂ってしまいました。

でも摂って後悔するタイプのカロリーではなく、すごくエネルギーを得られました。
シェフの心意気が料理や製菓の全てに籠っていたので。
並びはしますが、元気になりたい方は是非、三鷹のサンドニ・カフェへ!!
今度は夜行ってみたいです。
そして通常の2倍あるフィナンシェを翌日食べてみたのですが、サイズ的に結構マフィンです。
半分ずつ2回に分けて食べました。


結構塩味が効いていて甘いのが苦手なひとでもぱくぱく食べれそうです。
香りも素晴らしい。。
次回行く時は焼き菓子をもう少し買って帰りたいですね。
そして数日後、サンドニ・カフェさんにインスパイアされてポークステーキを焼いてみました。
レーズン、シェリービネガー、塩、ハチミツを使い、本家とは全然違うけどなかなか美味しく仕上がりました。
いい飲食店というのは、その日家に帰って、数日経ってもまだ楽しませてくれます。

また、いい街は、帰ってきてもまた行きたいと思うし、そこへ行くことが楽しみで、いくつかの苦痛さえも忘れさせてくれます。
次回は吉祥寺をもっとディープに楽しみたいです。

ここの団子も絶対に食べます!!

そんなわけで西東京の旅第2段でした。
まだまだ西東京紀行は続いていくことでしょう。
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